【自主制作】実写合成ワークフロー【How to】

 実写合成ワークフロー

自主制作の実写合成(「PROJECT BLUE:reproduction」など)を作る際のワークフローを図にしてみました。




基本的に業務で行われている手順と同じようなフローを用いています。(機材やソフトなどは個人で手に入るもので代用しています。)

事前準備

脚本

絵コンテや撮影のための台本のこと。


絵コンテ

脚本をもとにどんな映像を作るのかカット単位で絵に書いたもの。場合によってプリビズや動画コンテなどの仮映像を作る場合もあり。


ロケハン

ロケーション・ハンティング。撮影場所の下調べ、現地調査のこと。


撮影
実写撮影

ロケハン情報や絵コンテなどをもとに現地で撮影すること。ポスト処理(CGやカラーグレーディング等)のことをみこして撮影時に「カラーチャート」を同時に撮影すると良い。

(カラーチャートは最近導入しましたが、自分はX-rite社の「Color Checker Passport 2」を使っています。)




HDRI撮影

CGソフト上でIBL(Image based lighting。天球画像を使ってライティングすること。)するためのHDRI(High Dynamics Range Image)天球を撮影すること。

実写撮影時のライティング情報を記録する作業。CGソフトでライティングが再現しやすくなる。

(撮影時に簡易HDRI撮影を行うために「THETA V」を導入しました。)


Image based lighting (Wikipedia)

ハイダイナミックレンジイメージ(Wikipedia)


CG/ポスト・プロダクション作業
HDRI生成

撮影してきた素材をもとにHDRI生成を行う。


スタビライズ

撮影素材の手ブレが激しすぎる場合DavinciResolveなどソフトでスタビライズする。可能な限り撮影時にスタビライズや三脚を用意するほうが良いが、ソフトウェアで補正することもできる。(一部画像が伸びたりするので、ソフトでの処理には限界があります。)



DavinciResolve


トラッキング

実写素材から3Dソフトで使用するカメラを計算し生成する。(Blenderなどのトラッキング機能や、フリーのトラッキング専用ソフトVoodoo Camera Trackerなどを使ってカメラを生成します。)

Voodoo Camera Tracker


モデリング

CGソフトで形状を作る作業。


セットアップ

CGソフトで制作した形状を動かせるように設定すること。


モーキャプ撮影

人体などの動きをコンピュータに取り込むこと。

(グランパスくんの動画ではWebカメラによるモーキャプを使用しています。)



モーキャプ流し込み

モーションキャプチャしたデータをCGキャラクターに流し込み、CGソフトで使用できる状態にすること。


アニメーション

トラッキングしたカメラ、セットアップしたデータ、モーションキャプチャのデータなどをもとに動きをつけていく。


シミュレーション

爆発や火花、布や髪の毛の揺れなどを計算する。基本的にアニメーション作業後に行う(動きが変わるとシミュレーションの結果に影響が出るため)



ライティング/レンダリング

HDRI撮影した素材やライトの追加、調整を行いライティングを施す。ライティングを行ったものを連番画像素材として書き出す。(連番で書き出すのは、透明度付きで取り扱いたいことや、一枚ずつの画像にすることで取り回しをしやすくするため)


コンポジット(合成)
実写撮影した素材とCGを合成する。カラーチャートを使ってCGと実写の最終的な色合わせもする。


編集/カラーグレーディング

合成した素材を並べて編集を行う。音入れもここで行う。最終的なカットごとの色やカットのタイミングなどを行う。


最終データ出力

作業完了したデータを出力する。何に使うのかに応じてファイルフォーマットやフレームレートなどを設定し書き出しを行う。

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